ボーイスカウトについて誤解していたこと

 私の2人の子供達は、ガールスカウトボーイスカウトに入り活動しています。

かなり未熟な親ですが、少しできすぎ?と思うくらい子供達が健全に育っていて、少なからずスカウトに入れて良かったと思っています。

 私の妻の提案で子供達をスカウトに入れた私(父)は、数カ月前まではスカウト運動が何なのかわかっていませんでした。ボーイスカウトの指導者講習会を受ける機会があり、誤解に気づかされたことが沢山ありました。私が誤解していたり知らなかったことを中心に、書きたいと思います。

特定の宗教的な信仰を広めるための活動ではない

 私の子供達が所属する団ではキリスト教会のミサに参加する活動もあるので、漠然とですがスカウト運動がキリスト教信仰と切り離せないものであると誤解していました。YMCAのような位置付けかと勝手に思っていました。

 実際には、お寺や神社を母体として活動する団もあり、仏教神道の祭事に参加している団もあります。

 ただし、スカウト運動では、なんらかの「信仰上の原則の堅持」が活動の1つとされていています。自治体や子供会を母体とする「特定の宗教と関係を持たない団」は、お寺などに頼んで祭事に参加させて貰ったりしているそうです。 

ボーイスカウト日本連盟は公益財団法人(文部科学省所管)であり年会費による登録制

 各々のボーイスカウトの団はこの連盟の下部組織ということになります。指導者も子供達もボーイスカウトに所属している者は全員、ボーイスカウト日本連盟への登録費を毎年支払っています。

 指導にあたっているリーダーはみんな登録費を支払って参加しているのです。もちろん、交通費やキャンプに行く時の費用などもかかりますから、金銭的な負担をした上で子供達を指導してくれているということです。子供をあずけている親としては頭が下がります。 

 なお、技能を競う大会で勝ち進むと最終的には総理大臣に表彰してもらえるそうです。

ボーイスカウト運動は教育的運動である

 規律も重視することから、武器を持たない軍隊のような印象を持つこともあるかと思いますが、目的は青少年教育です。

 世界スカウト機構憲章で、「(前略)青少年のための自発的で非政治的な教育的運動である。」と定義されています。続いて、「スカウト運動の目的は、青少年が個人として、責任ある市民として、地域、国、国際社会の一員として自らの肉体的、知的、情緒的、社会的、精神的可能性を十分に達成できるように青少年の発達に貢献することである。」と書かれています。 

教育の方針がある

「青少年のための自発的で非政治的な教育的運動」って本当にそんな教育ができるのかって疑問がわきます。この目的を達成するために、スカウト教育法では7つの要素を示しています。

  • 「ちかい」と「おきて」
  • 行うことによって学ぶ
  • チームシステム
  • 個人の進歩
  • 自然
  • 成人の支援
  • 象徴的枠組み

 個人的には、特に効果があると思うのは「チームシステム」です。スカウトでは1つの「隊(年の近い集団です)」に複数の「組」を作り互いを競わせます。競うことで向上心が生まれ、「組」の中で協力することを学びます。今の学校教育で不足している部分を補っているように思います。

 ごまかしのきかない「自然」を相手に「行うことによって学び」、そこで困難な課題を克服した「うその無い」事実は「個人の進歩」として自信につながります。「自然」を相手にすることは同時に危険を伴うため「成人の支援」が特に必要になります。「自信」すなわち自分に価値があると思えることは子供にとって大切なことだと思います。この経験を積むためにキャンプに出掛けるのですね。そして危険に対処するため、リーダー(成人)の参加・補助が必要です。

  野外活動しているだけのイメージがあったのですが、目的と方法論に即して野外活動をしていることがわかり、納得した次第です。

最後に

 複数の組を作るには同年代の子供達が集まらないと成り立ちません。多くの子供達が参加できると良いと思っています。

 指導者研修にはスカウトのリーダー以外にも幼稚園から参加されている保育士の方々も居られました。必ずしも団に所属している必要も無さそうなので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。